タイヤ選びの基礎知識

中古タイヤという選択について

タイヤは走行するために無くてはならないものですが、止まることができなければ意味がありません。
安全に止まるためには路面とタイヤがしっかり接地することが重要です。
そのために間に入り込む水を排出するための溝と、路面にフィットする柔軟性が必要となります。
しかしゴムは経年によりゆるやかに劣化するため、溝が残っていても新品同様の効果は得られません。
値段を優先したくなりますが、無理な使い方をして余計な出費につながるのでは意味がありません。
明確な使用期間、目的を念頭にお選び頂くことをお勧めいたします。

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どうやって使用状況に合ったタイヤを中古で選ぶの?

例えば次の車検で車を入れ替えようと考えていても、タイヤがそれまで持ちそうにない場合があります。
また、鉄ホイールからアルミホイールへのグレードアップやドレスアップで購入を検討する場合もあるでしょう。
こんな時、ご自身である程度知識があれば中古という選択肢もあります。
例えば、スタッドレスタイヤの場合。
雪道に不慣れで夜間の凍結路面を走行しなければならない状況があるとします。
それなら1シーズンのみの使用だとしても新しいものを選ぶに越したことはありません。
中古を選ぶ場合は使用期間、使用状況に合わせて購入することが必要です。
融雪装置のある道を選ぶ、夜間の運転を控える、制動距離を考慮した早めのブレーキなど、
路面の状況やタイヤの状態を意識した運転技術、使用状況に合わせて安全に走行・静止するための知識が必要です。

タイヤ選びのチェックポイント

〈適合〉
お車にあったタイヤホイールを選ぶには、ホイールのインチ数、PCD、ハブ径、穴数、オフセット、タイヤ外径等を考慮しなければなりません。
ひとまず取り付けできたとしても、外側にはみ出たり、干渉を起こす場合もあります。
またスタッドレスタイヤで純正サイズより幅広のサイズを選ばれると、接地圧力が低下し雪道でのくい込みは悪くなります。
タイヤサイズがわからない場合や、ローダウンしていて不安がある場合は、問い合わせるなどして適合を確認することをお勧めいたします。

〈年式〉
弊社では屋内保管で雨や紫外線による劣化、水性タイヤワックスを使用することで油類による劣化を防いでいます。
ただし、経年によるゴムの硬化はゆっくりと進行します。
硬度計でチェックすれば大丈夫という方もいらっしゃいますが、測定時の気温や測定位置にばらつきが出るため正しい数値とは思えません。
たまに「硬化はありませんか?」とのご質問を頂きます。
弊社では保管中に劣化が進まないよう維持管理していますが、硬化が完全に止まるという事ではありません。
必ず製造年をご確認頂き、あくまで中古品だという事をご了承のうえ、ご判断ください。

〈溝〉
乗用車のサマータイヤは残り1.6mmでスリップサインが出てきます。
スリップサインとは溝の底にある盛り上がった部分の事で、法令で決められた使用限界を示すものです。
スタッドレスタイヤでは溝が新品の半分以下になるとプラットフォームが露出し、冬タイヤとして使用できません。そのまま夏も履きつぶす場合にもスリップサインが出たらタイヤとして使用できません。
溝が無いと接地面の水を排出できず、タイヤが浮いた状態になりグリップ力が低下します。
また、スタッドレスでは摩耗によりブロックパターンが崩れる事で、凍結した路面で毛細管現象による吸水が起きにくくなりなります。
タイヤの溝は濡れた路面での制動距離に大きくかかわる大切なチェックポイントです。
中古タイヤは全体が均等に摩耗していない事も多いので、スリップサインやプラットフォームはもちろん、全体の摩耗具合も必ずご確認ください。

〈メーカー〉
タイヤは製造メーカーによって性能が異なります。
特にスタッドレスタイヤについては性能の差が顕著のように感じます。
なぜなら全てのタイヤが日本の気候や路面状況にあわせて開発されているわけでは無いからです。
お住まいの地域の気候や使用環境、目的にあわせてメーカーをお選びください。

 

表記の見方

年式の見方
①タイヤサイズの表記例:195/65R15 91Q
【195】タイヤの幅(単位はミリ。サイドの文字装飾の凹凸を含めた総幅。この場合は195mmの総幅のタイヤ。)
65タイヤの扁平率(タイヤ断面の高さ÷タイヤ断面の幅×100で求められる比率。断面の高さとはホイール装着時に規定の空気圧を充填した場合の高さ。断面の幅とは文字装飾の凹凸を除く部分の幅を指します。)
Rラジアル構造(タイヤ内部のコード層の構造にはラジアルとバイアスがあります。乗用車のほどんどはラジアル構造です。)
15リム径(タイヤ内径。適合するホイールのリム直径をインチで示したもの。)
91ロードインデックス(タイヤ1本で支えることができる最大負荷能力を示す指数。ロードインデックスが91の場合の最大不可能力は615kg。)
Q速度記号(タイヤが走行できる最高速度を示すもの。Qは最高速度160km/hまで。)

②年式の表記例:X3012
X工場コード(製造された工場を表す表記。タイヤメーカーによって表記が異なります。)
30製造週(この場合は30週に製造されたということ。)
12製造年(この場合は2012年に製造されたということ。)
1999年以前のタイヤは3桁の数字(最初の2桁が製造週、最後の1桁が製造年)で製造年週を表示していますが、概ねどのメーカーのタイヤでも、2000年以降に製造されたタイヤでは、4桁(最初の2桁が製造週、最後の2桁が製造年)で表示しています。

③スリップサインの位置を示すマーク
タイヤ側面に4~9箇所程度の△マークがあります。
その延長線上にある盛り上がった部分がスリップサインです。
スリップサイン

④スタッドレスタイヤのプラットフォームの位置を示すマーク
タイヤ側面に90度間隔で4カ所設けられた矢印マークの延長線上にプラットフォームがあります。
写真手前がプラットフオーム、奥はスリップサインです。
プラットフォーム

 

以上簡単にご説明させていただきました。
タイヤはスリップサインが露出していたり、走行に支障のある危険な劣化がある場合を除いて、ここからは良し、ここからはダメという明確な基準はありません。
経年タイヤを使用するのであれば制動距離を考慮して早めにブレーキを踏むなど、路面の状態を把握し適切な判断をするドライビングテクニックが必要です。また、車の性能も大きくかかわります。
それらを考慮して、ご自分に合ったものをお選びください。