廃車解体寸前の古い軽自動車を税金の安い4ナンバー貨物セカンドカーにして遊ぼう!! 第3回 【下回り点検】

廃車解体寸前の軽自動車をセカンドカーへ

前回は、外装点検にてボディの経年劣化はあるものの、車検を受けるにあたって、特に修理や部品交換は必要ない事が確認出来ました。⇒第2回【外装の点検】はこちら
今回は、リフトアップをしてエンジンオイル・エレメント交換のついでに下回りの点検をしようと思います。
今回の点検は、あくまでもユーザー車検を受ける前提での最低限の簡易点検となります。

車検はあくまで保安基準に適合しているかを検査するものであり、自動車の安全を保証するものではありません。
セカンドカーとはいえ、ブレーキの分解等、専門知識や資格を有する項目は、後日、安全を考慮した上で専門業者に依頼しようと思います。

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この車はディーラーの下取り車だったのですが、車検証を確認したところ、女性のワンオーナー車という事が分かりました。
また、搭載されていたメンテナンスノート・記録簿から、新車購入したディーラーで定期的に点検・車検を受けていたようです。

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17年分の点検記録簿の内容から、とても大切に使用されていたことが分かります。
なかなか同じお店で全ての点検や車検を依頼することは珍しいことで、よほど購入したディーラーを信頼していたのでしょう。

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下回りのチェックで必ず確認しておく項目の一つが、各種ブーツ類です。
特に低年式車では、車検時に重点的にチェックされる消耗部品になります。

タイヤの内側と車体中央側に付いているドライブシャフトブーツ・タイロッドエンドブーツ・ステアリングラックブーツを確認します。
ブーツに損傷や破れがあると新品部品への交換が必要ですが、いずれのブーツも意外と問題はなさそうです。
以前の点検整備記録簿にブーツ類の部品交換記録が無かったので、当然交換を覚悟していましたが、ラッキーでした。

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ブーツに損傷や破れが無ければ車検は通りますが、破れていなくても細かいヒビなどがあった場合は即交換がおススメです。
ブーツが破れたまま走行していると、グリス切れを起こして、破れから泥や砂が侵入しジョイントが損傷してしまいます。
ジョイントが損傷すると走行時に異音が出るようになり、最終的には動きが悪くなり走行不能になります。
そうなるとジョイントそのものをアッセンブリ交換する必要がありますので、ブーツのみの交換よりも修理代が高額になります。

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次にステアリングギヤボックスや各種ロッド・アーム類の緩み・ガタを、手でタイヤを前後に押し引きする点検方法で確認します。
これらは目視ではほとんど確認できない項目ですので、ブーツ類の損傷が無くても、リフトアップしたついでに確認しておきます。
どんなに慎重に使用していても、走行距離に比例して金属も徐々に磨耗し、いずれガタが発生します。
ガタが確認出来たら、まだ症状が軽いうちに早めの交換をする事で、ギヤボックス交換などの致命傷にならずに済みます。

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次にマフラーの取付・損傷・腐食・排気漏れ点検をします。
マフラーも車検時に重点的にチェックされる消耗部品です。
まず、目視による損傷や錆による腐食穴などが無いかを確認し、マフラーを吊り下げているブッシュゴムが損傷していないかも点検します。

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手で揺すって、接合部が緩みなくしっかり取付られているかも点検します。
接合部や腐食穴から排気ガスが漏れていたら、漏れている箇所が黒くなっています。
排気漏れがある場合は、排気音が大きくなるので、ある程度は音でも判断できますが、微量の漏れなどは色で判断します。
前回(2年前)の車検点検整備記録簿にマフラーの交換記録があったので、さほど心配はしていませんでしたが、こちらも問題はなさそうです。

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最後にエンジンオイル漏れ点検です。
エンジンオイル以外にもミッションオイル・パワーステアリングオイル・ブレーキオイル等、とにかく油脂類が漏れている状態は絶対に良くありません。
漏れたオイルが高温のマフラーに付着して発火の危険性もありますし、ベルト類に付着すると駆動している機関等が正常に機能しなくなる恐れもあります。
最悪の場合、エンジン本体がオイル切れにより焼き付いて壊れてしまいます。
ユーザー車検ではオイル漏れを発見した場合、洗浄でごまかして車検に合格することも可能ですが、今後の安全性を考えるとリスクが高すぎると思います。
滲み程度であれば、添加剤等での対策も出来ますが、明らかに漏れている場合は根本的な修理が必要です。

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この車に関しては、17年前の車両にしては珍しいほどオイル漏れはありませんでした。
前オーナーが、ディーラーで定期的な点検整備をしてくれたおかげですので、感謝です。
ただ、タイミングベルトの交換はまだのようなので、走行距離はまだ10万Kmに達していませんが、早めにウォーターポンプとの同時交換をしようと思います。

今回はリフトアップして下回りの点検をしましたが、日常でも、駐車している地面にオイルが付いているとか、変な臭い・音がするなどで車の異常は発見出来ます。
自分の判断に自信が無い場合は、オイル交換を依頼する時に、気になる点を専門知識を持った人に確認・点検してもらうのが良いと思います。
人も車も定期的に点検をして、早めの発見・対策をすることで、結果的に無駄な修理代が掛かりません。

次回は、いよいよユーザー車検を受ける予定ですが、ちょっと気になる軽自動車税についてレポートします。⇒第4回【貨物登録準備】はこちら